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デブラ・ウィンガーは
主に80年代に大活躍した女優さんだが

出演作は非常に少ない

なぜなら彼女は
1980年に映画デビューして
15年後には引退してしまったからだ

25歳から40歳までの女優人生

それでも彼女の出演作は
名作だらけなのだ


愛と青春の旅だち [DVD]
愛と青春の旅だち 
(1982年作品)

デビュー3作目にして
この名作だ

リチャード・ギアとの
あのキスシーンは

今でも鮮明に
脳内に記憶されている


愛と追憶の日々 [DVD]
愛と追憶の日々 
(1983年作品)

シャーリー・マクレーンと
ジャック・ニコルソンとの共演

この映画はスゴかった

何がスゴイかは
観ないと分からない類のもの


夜霧のマンハッタン [DVD]
夜霧のマンハッタン
(1986年作品)

ロバート・レッドフォードと
ダリル・ハンナとの共演

もうこのあたりからは
貫禄の王道女優人生だった


ここまでが
メジャー3部作


その後ちょっと
作品の傾向が変わり

衝撃的だったのは
この作品だ

シェルタリング・スカイ [DVD]
シェルタリング・スカイ
(1990年作品)


ベルナルド・ベルトリッチ監督作品への出演

ベルトリッチ監督というのは
心理描写が得意な監督で

だから

精神やエロスの表現も
深く鋭く

なので

観るものの深淵を
強く刺激する


この映画を観てから
デブラ・ウィンガーを

人間として
女性として

憧れだけではなく

尊敬の眼差しで
見るようになった


この作品の5年後
1995年に引退


そして引退から7年後の
2002年に

彼女の「今」を知ることになる
彼女の「心」を知ることになる


デブラ・ウィンガーを探して [DVD]
デブラ・ウィンガーを探して


「グランブルー」の代表作で有名な女優
ロザンナ・アークエットが

「デブラ・ウィンガーを探して」という
ドキュメンタリー映画を作ったのだ


このドキュメンタリーも
とても素晴らしかった


なにより

よく知った顔の女優たちの「素」が
ここで見れるからだ

彼女たちの「本音」を
ここで知れるからだ


テーマは
『仕事と家庭の両立』だ


時は2000年代
出演者はハリウッド女優たち

それでいてテーマが
『仕事と家庭の両立』だなんてね


社会に生きる女の戦いは
今も続いているということなのだ


ここで語られる『仕事』とは
主には『自己表現』という意味になる

ここで語られる『家庭』とは
主には『子育て』という意味になる


子育てというのは

母親の時間とエネルギーを
莫大に使うもので

使うからこそ「子育て」という


でも実際は
自分のキャリアのために
「子育て」を放棄した人もいる

もちろん「子育て」のために
キャリアを縮小したり捨てたりする人もいる


みんなそれぞれ
生き方も選択も人それぞれ

「正しさ」というマニュアルは
人生にも子育てにも存在しない


自分の心に正直な生き方
自分の心からの意志で選んだ選択

それがその人にとっての
正しさだから


自分の心の正しさに従う生き方は
周囲の誰にも悪影響など及ぼさないのだ




この映画の中で印象的だったのは
ジェーン・フォンダの言葉だ

ジェーン・フォンダですらも
仕事より愛を選択したという事実と

自分が愛する仕事の中で経験した
「奇跡のような瞬間」の話


「奇跡のような瞬間」は
そう頻繁には経験できない


でもそういう瞬間は
確かに存在する

キャリアを積む中で
何度か経験する


それがあるから更に
自分の仕事を愛することができる


それでも

それよりも勝る「愛」も
この世には存在する

それもまた
女の人生の真実なのだ





***


デブラ・ウィンガーは

自分の女優人生は
「自分探しだった」と表現していた

だからこそ

映画から学ぶこと
テンコモリあるんだ