Angelaの短編

7つの月がある惑星

28


僕たちの住む惑星では
月が7つもあるんだ


水星も金星も
火星も木星も
土星も天王星も
海王星も冥王星も

それぞれ
1つずつしかないのに

月だけが
7つもあるって

それは
それは

不思議な光景なんだよ


この宇宙には
月が1つしか見えない
そういう惑星もあるらしい

月が1つしかないなんて
生きること大変だろうな


だって
たった1つの月に
生物が依存してしまうから


月の満ち欠けに
いちいち生物が便乗する

そのアップダウンが
息苦しさを生むんだから


7つも月があるから

満月の月もあれば
新月の月もあるし

下弦の月もあれば
上弦の月もある


これら月のお陰で僕たちは

月の満ち欠けに
引きずられることなく
今を快適に生きることが出来る


僕たちの惑星の人々は皆
とても幸せに生きているんだ


そういえば

この宇宙には
地球という惑星もあるんだけど

僕たちの惑星からは
2つの地球が見えるんだよ


地球はね

2つ
あるんだよ











 

親友は魔術師

59

僕の親友は
マジシャン

幼稚園からずっと
今も付き合っているのだが

彼は小さい頃から
落ち着いた物腰で

何事にも動じない
大人びた言動で

ちょっと他の子供とは違う
独特の雰囲気を醸し出していた


幼稚園時代から
すでに彼は手品を披露して
彼の周囲の人々を喜ばせていたんだ

手品は
そこらへんにあるもので
パッパッパっとやってしまう

誰に教わらずとも
そういう遊びを
自分で作る

そんな彼に
彼の親すらも
驚きの連続だったらしい


小学校
中学校
高校と

成長するにつれて
彼の手品は本格的になっていき

その頃には
手品で小遣いも稼ぐようになっていた


僕は彼の手品を
小さい頃から見ているが
タネも仕掛けも全く分からない

本当は彼は本物の
「魔術師」なんじゃないか

そう思うことも
たびたびある


彼は手品で
人々を喜ばせる
人々を感動の渦に巻き込む


今は彼の活動の場は
世界各地に広がったので

以前のように
頻繁に会えなくなったが


彼のような人が


同じ時代を
僕と一緒に生きているのは

僕の人生の光なんだ



今日も彼は
世界の何処かで
誰かを笑顔にしながら

光の在処を
夢の在処を

希望の在処を

手品を見せながら
人々に伝え続けているんだ








 
 

星を読む夢

59

僕は何度も
同じ夢を見る

物心ついた頃から
何度も何度も繰り返し
その夢は睡眠中に現れる


夢の中の僕は
空を見上げながら
「星を読んでいる」


あの星は
こうで

この星は
こうで


そうやって
僕の周囲をグルっと
たくさんの人々に囲まれながら

僕は
ひたすら
「星を読んでいる」


その時代は

本もなく
電気もなく
高層ビルもなく

でも言葉はあったんだ


言葉は
あるけど

星の意味を伝えるための
言葉などは存在しておらず

どうやって
星たちの素晴らしさを
人々に伝えたらいいのか

僕は毎日
そのことだけに
一生懸命に生きていた


夢は
何度見ても
この繰り返し


でも僕は
この夢を見た日には
とても良い事が起きるんだ


今朝もまた
同じ夢を見た


今日はまた
どんな良い事が
僕の人生に巻き起こっていくんだろう









 

30年前の恋人

41

僕たちは
30年前に
恋人同士だった

若かった2人
未熟だった2人

でも
だからこそ

出会った瞬間から僕たちは
激しく愛し合うことになった


愛は全てを
乗り越える

そう信じていたが

僕たちにも乗り越えられない
現実の壁というものは存在した


そして
彼女は去った

僕の前から
あっけなく


あれから
30年も経つというのに

いまだに彼女のことを
思い出さない日はない


彼女は
30年前のままで

僕もまた
30年前のままで

人間の記憶というのは
当時そのままが刻印されるのだ


だけど現実の僕は
30年前とは大きく変わっている


年齢を重ね
経験を重ね

今では
愛する妻も
愛する娘たちもいる

仕事も順調で
幸せを絵に書いたような
暮らしをしている


だから彼女も
30年前の彼女は
今どこにも存在しない


美しく
賢かった彼女

たくさんの
夢を抱えていた彼女


彼女なら
その全てを
手に入れているはず


僕が愛したのは
30年前の彼女で

僕が愛されたのは
30年前の僕で


でも愛というのは
どれだけの年月が流れようとも

心の奥深くに
「温かさ」として
永遠に息づいているものなんだ










 

魔法の石

06


僕は魔法の石を持っている


この石に
問いかけ

答えがYESなら
石は見事に光り輝き

答えがNOなら
石は無反応となる


石は最初は
僕の夢の中に出てきたんだ


夢の中でも
僕は石に問いかけ

YESかNOか
答えを得ていた


でもある日僕は
石を僕の机の上で見つけた


昨日まで
そこになかったのに

その日から石は
そこに存在するようになった


それに驚きなどは
全く感じられず

全ては
当たり前と
自然に受け止めた


それから僕は
夢の中と同じように

石に問いかけ
そして答えを得ている


石に理屈はなく
石に理由もない

ただ答えは
YESかNOか
それのみだ


石と共に生きるようになると
生きるとはなんて簡単なことかと思う


YESか
NOか

そこさえハッキリさせ
答えに基づく自分行動を連動させれば
全ての道は前へ前へと開かれていくようになるからだ








秘密の魔法の書

19



その本は

僕のお気に入りの
エグゼクティブ・ルームの
デスクの引き出しの中で見つけた


このホテルの
この部屋は
何もかもが最高なんだ


間取りも
家具も

あとは
なんといっても
窓の外に広がる風景が
僕の心を軽やかにしてくれる


今日は久しぶりに
この部屋にチェックインした


チェックインした後に
いつも僕がやることは

部屋の中の
見えるところも
見えないところも

自分の私物で
埋め尽くすことで

その時に僕は
この本を見つけたんだ


本とは言っても
その本にタイトルはなく
ただ真っ黒な表紙に覆われていて

だけど
その本の分厚さと言ったら
500ページはありそうなものだった


僕の前に
宿泊していた人の
忘れ物かもしれないと

ホテルのフロントに連絡する
その前に

僕はその本を
少しめくってみた


するとそれは
印刷物ではなく
手書きの文字で
書かれたものだったのだ


それから僕は
時間が経つのも忘れるくらい
その本に読みふけってしまった


なぜならそこには

人間の幸福
人生の成功

それの実現への
事細かなプロセスが
ビッシリと書かれていたからだ


僕が知っていることもあった
僕が知らないことも山ほどあった


人間の極意
人生の極意

それをここまで
言葉にして表現できる

ということが
何より驚きだった


結局僕は
丸一日かけて
その本を読破して

チェックアウトの時には
元のデスクの引き出しの中に戻した


この本は
外に持ち出してはいけない

そう思ったのと同時に

この本は
僕以外の人間も読むべき

そう思ったから



***



それからも
僕は何度も何度も
この部屋に宿泊しているが

あの本は
デスクの引き出しに
置いたままになっている

(だから宿泊のたびに本を読み返している)


他の宿泊客も
誰も持ち出さない?

清掃の人も
誰も気がつかない?


なぜか
分からないが

あの本は
あの部屋の
あの引き出しの中で

ずっと
ずっと

今も
ひっそりと
生き続けているんだ

















横顔美人

32

僕は毎朝
同じ時間の電車に乗り
同じ車両の同じ扉の前に立つ

通勤ラッシュ時間からは
少し遅い時間の電車なので
電車の中はいつもわりと空いている


今年で
この生活は
10年目に突入するんだ


退屈な人生?

そんなことは
全くない


僕には
やりがいのある
自分の能力を十二分に
発揮できる仕事があるし

最近起った私生活の大きな変化も
10年間継続したこの習慣のおかげだ


そう
僕の妻とは最初
この電車の中で出会った

彼女は僕が
この電車に乗るようになって
5年目になって登場した人なんだ


彼女の横顔を見て
僕は一目で恋に落ちた


もちろん
一方的な片思いだ

それでも毎朝毎朝
彼女の横顔を見る日々は
僕に至福の体感を与えてくれた


彼女は
日に日に美しくなっていく

彼女は
日に日に輝きを増していく


その理由を
僕はすぐに見つけることが出来た

彼女の左手の薬指に
キラキラとダイヤモンドの指輪が
光り始めたからだ


結婚したら
もうこの電車に
乗ることはないのかな?

そうなれば僕は
彼女の美しい横顔を
二度と見れなくなる


それから
数ヶ月が経過して
彼女は電車に乗ってこなくなった


遂に結婚したんだ・・・


その後しばらくは
僕の脳裏に彼女の美しい横顔が
残像のようにアリアリと残っていたが

それも時間の経過で徐々に薄くなっていき
彼女の存在は僕の脳から消えてくことになった





そんなある日
僕はまた彼女と再会することになったんだ

再会場所は電車ではなく
僕の行きつけの花屋だった


定期的に
花を買う僕は
その店の長年の常連で

そこにあの
横顔美人の彼女が
新しいスタッフとして
働き始めていたのだ!


それから僕たちは
店で顔を会わすたびに
世間話をするようになった


彼女はOL生活3年目で
寿退社したが1年後に離婚

どうも旦那には
他に女がいたようだ

そして彼女は離婚後

前々からの夢だった花屋での仕事と
フラワーアレンジメントの勉強を
始めたということも知った


僕たちは
お互いに「花が好き」
という1点で
どんどん親密になり

そして
そのうち
僕たちは店の外で
デートするようになり

それから間もなく
僕は彼女にプロポーズをして
彼女は僕の妻になった



彼女のいる毎日
彼女のいる人生

なんて幸せな毎日
なんて幸せな人生



それでも僕は今も
彼女には言ってないんだ

僕たちは最初
電車の中で出会っていたことを



君が僕を知らない時から

僕は
君に

ずっと
ずっと

恋していたことを











幸福薬あります

18


「幸福薬あります」


ある時
ネットサーフィン中に
この文字を見つけて

僕の思考は一瞬止まった


薬で幸福になれるのか?
遂にそんな時代が到来したのか?


料金を見ても
さほど高額ではない

中毒性も依存性も
全く無いという


使用上の注意として

1ヶ月に1回1粒
毎月1日の朝に服用し
それを1年間規則正しく続ける

ということで
1セット12粒で販売されていた


これを見つけたのが年末で
注文すれば数日中に手に入る

元旦からスタートするには
あまりにも丁度いいタイミングだったので
早速僕は「幸福薬」を服用することにした


初回
1月1日元旦

口に含むと甘さを感じたが
一気に水で飲み込んだ

さぁこの1年で僕は
本当に幸福になれるのか?


薬を飲んだその日も

数日経っても
数週間経っても

大きな変化は見当たらず

いよいよ2回目の
服用の日がやってきた


2月1日

特に代わり映えのしない自分
特に代わり映えのしない人生

やっぱり
騙されたのかな

そんなことも
頭によぎりながら


3回目
3月1日

薬を飲む日を
忘れることがないように
アラーム設定はしてあるのだ


4回目
4月1日

この頃になると
幸福薬なるものの存在も
ほぼ頭から忘れかけていたが
1年間は真面目に続けるつもりでいる


5回目
5月1日

この調子だと
1年なんてあっという間に過ぎる
という焦りと

あとは何か
新しいことに挑戦したい気持ちが
フツフツと自分の中から沸き上がってきた


6回目
6月1日

幸福薬を服用して
半年が過ぎようとする中で

とりあえず
「やりたいことリスト」を
書いてみることにした


7回目
7月1日

「やりたいことリスト」で
書き出していったものに
優先順位をつけてみた


8回目
8月1日

「やりたいことリスト」の
優先順位第1位のことを実行に移した


9回目
9月1日

「やりたいことリスト」の
優先順位第2位のことを実行に移した


10回目
10月1日

「やりたいことリスト」の
優先順位第3位のことを実行に移した


11回目
11月1日

「やりたいことリスト」の
優先順位第10位まで一気に実行に移した


12回目
12月1日
最後の幸福薬の服用日


僕は今
幸福に生きてるか?


やりたいことを
1つずつ実行に移す人生

確かにそれは
幸福といえるかも



***



その後の僕は
と言えば

幸福薬の服用期間は終わったが

僕の人生は
「やりたいことリスト」の実行
それに明け暮れることがすっかり習慣となった



それから数年後

「幸福薬詐欺」という
ネットニュースを見つけたんだ!


幸福薬・・・
その成分は・・・


・・・
・・・
・・・


僕は
幸福薬の『真実』を知り

その日は一日中
腹が痛くなるほど大笑いして過ごした










 

500年前の夢

49


僕には500年前に
夢見たことがあってね


それが500年かかって

やっと
実現した


その間
何度も人生を生き直し

その間
何度も自分を軌道修正させて


でも500年前の夢のことは
一瞬たりとも忘れたことはなかった


500年前の夢


それの実現に
必要なことは
人生の様々な経験で

でも
どんな時も
500年前の夢のことは
一瞬たりとも忘れたことはなかった


夢は叶うんだ

誰の夢だって
時間も空間すらも超えて

夢は
必ず
叶うんだ


そして今
僕はまた新たに
500年後の夢を見ている


この夢の実現は
もしかしたら500年じゃ
足りないかもしれない

この夢の実現は
もしかしたら1000年
かかるかもしれない


それでも

夢に向かう日々は
夢に向かう人生は

この上ない
充実感と至福感がある


夢は
必ず
叶うから


さあ今日も僕は
人々が語る夢の話に耳を傾け

その夢が実現した未来を
心の目でシッカリと見て

人間が持つ魂の響き
人間が持つ魂の輝き

それと共に

自分と
人生を

生きていくんだ








 
 

余命3ヶ月の3人の女

40


A子は
余命3ヶ月を宣告されてから

自分の身の回りの全ての荷物を処分し
世界旅行への準備を始めた

生きている間に
出来る限り多くの国を
この目で見てみたい

その思いだけを抱え
旅を始めた

そしてA子の人生は
ヨーロッパを廻り終えた時に
その幕を閉じた



B子は
余命3ヶ月を宣告されてから

自分の部屋に閉じこもり
本を作る準備を始めた

死ぬまでに
自分の作品を
この世に押し出したい

その思いだけに
執筆を始めた

そしてB子の人生は
本を完成させ出版させた後に
その幕を閉じた



C子は
余命3ヶ月を宣告されてから

嘆きと悲しみと怒りと恨みの感情で
苦しみと痛みが全身を襲った

この苦しみと痛みが
あと3ヶ月も続くのかと
モガき苦しむ毎日で

苦しみと痛みは
日に日に増すばかり

そしてC子の人生は
激しい苦しみと痛みの中で
その幕を閉じた



〜3人の死後の世界〜


 
A子は死後すぐに
元々の魂の仲間のところに
一瞬で舞い戻った

そこは
キラキラと輝く
光の世界

A子が
この世でイキイキと生きたことで
その光の強さは一段と増すことになった



B子は死後すぐに
前よりもレベルの高いグループに
新しく入ることとなった

そこは前より
輝きがいっそう強い
光の世界

B子が
この世で新しい経験をしたことで
魂が属するグループのレベルを上げることとなった



C子は
死んでもまだ
この世を彷徨っている

この世に
強烈なまでの
未練と執着があるからだ

C子と同じ種類の感情を持つ
生きた肉体の魂を次々に乗っ取る
今日も不幸の道づれを探し続けている















洞穴アドベンチャー

00


僕はある日
散歩の途中で
洞穴を見つけた

そこは今まで
何度も歩いている場所だけど
洞穴が目についたのは
その日が初めてだったんだ

今日は仕事が休みだから
時間もタップリある

そう思って僕は
洞穴の中にゆっくりと
足を踏み入れていった

洞穴の入り口は狭く
小さなものだったが
中に入ってみれば
そこは意外と大きな穴で

かなり身長のある僕でも
屈むことなく姿勢を正して
歩みを進めることが出来た


中は
静かで
ヒンヤリしていて

もちろん
僕以外に誰もいない


さらに先に進んだ後
試しに懐中電灯代わりの
iPhoneの光を閉ざしてみたら

どこからともなく薄らと
洞穴の中は光が差し込んでいて

暗闇に目が慣れれば
iPhoneの光に頼らずとも
周囲を見渡すことが出来るのを知った


その瞬間
僕は見たんだ


トンボのような羽のある
でもトンボではない
小さな人の形を

「それ」は
僕の体の周りを
羽をパタパタさせながら
グルグルと廻り続けていた


なんだ?これは?


僕が心の中で
大きく叫んだら

「それ」は僕に
微笑みかけたように見えた


どうやら「それ」は
僕の敵ではないようだ


僕はもっと
洞穴の奥に
歩みを進めたが

「それ」は
ずっと僕についてくる


コイツが僕の旅の道連れ?


そんなことを
思いながら

かれこれ
30分ほど歩いたら
洞穴は行き止まりになった


そこには
腰掛けるにちょうどいい
大きくて平らな石があったので

僕は腰を下ろし
しばらく休憩することにした


羽をパタパタさせた「それ」は
まだ僕の近くを飛び回っているが

僕は気にせず
考え事をしていた


仕事をどうするか
悩んでいたんだ

今の仕事を続けるか
辞めて別の仕事を見つけるか


すると突然
「辞めろ」「辞めろ」と
どこからともなく声が聞こえてきた

いや
違う

「それ」が
喋ってる!


辞めてどうする?


僕は「それ」に
問いかけてみた

すると「それ」は
また違う言葉を喋った

「本屋」「本屋」

本屋に行けってか


僕はそれから
洞穴を出て
本屋に向かった

本屋なんて
久しぶりだなと思いながら
目についた雑誌を立ち読みしていると

僕好みの雑貨が
ズラっと並んでいる
素敵なショップを見つけたんだ


僕は電車に乗って
ショップに向かった

ショップの中は
「僕の夢」そのものだった

こんなことってあるんだ

そして帰り際にレジを見ると
そこにはスタッフ募集の張り紙が!



それから
どうなったかって?

僕は仕事を辞め
そのショップで働くようになり
今は店長として店の全てを任されている



***



充実の日々
幸福な毎日

そんな時

またあの洞穴に
行ってみたくなった


けど

探せど
探せど

洞穴は見つからなかった


僕はあの日
夢を見ていたんだろうか?



***



海外に買い付けに出向くようになり
店の売り上げもドンドン上がっていき

忙しくも楽しく
豊かな日々を送っていた僕は

家庭を持つ
家族を持つ

ということを
真剣に考え始めていた


ある日の夜中
自分の部屋の薄明かりの中

どうやったら
僕の妻に出会えるだろう?

そんなことを考えていたら

あのパタパタという
羽の音が聞こえ始めて

「遊園地」「遊園地」

という言葉が
僕の部屋の中で響き渡った



僕は早速
シフト表を見て
次の休みの日を調べ

グーグルの検索画面に
「遊園地」の文字を入力した


 





 

 

最期の宇宙旅行

19

僕には世界中に家がある

だから僕は
世界中にある自分の家に住むために
自分の飛行機で飛び回る生活をしている


洋服を買うように
家を買うようになったのは
もう随分と前のことだ

僕は3歳から
発明を趣味とし
10歳の時には既に
たくさんの発明品を開発していた

今では誰もが
当たり前に使用しているものばかりだ


義務教育は当然のように
小学校から行かなくなり

義務教育を終える頃には
僕はかなりの資産家になっていた

家を買うようになったのは
そんな頃からで

飛行機を買ったのは
20代になったばかりの頃


自分の飛行機で
空を飛ぶ生活が長くなると
空にいる時間が長くなる

すると「向こうから」
僕に接近するようになった

「向こう」とは
地球外の飛行物体だ


最初は挨拶程度だったのが
そのうち一緒に飛行するようになり

いつしか僕の飛行機には
何やら奇妙な機械が取り付けられ

その機械を通して
僕たちは会話まで
出来るようになっていた


そんなある日
彼らから提案された

『他の惑星に
一緒に飛んでみないか?』

僕は心が躍った

もう地球飛行には
すっかり飽きていたから


彼らは僕の飛行機に
しかるべき改良をほどこし
(それも一瞬で!)

それから間もなく
最初に僕たちは
月に行った


次は水星
次は金星

火星
木星
土星
天王星
海王星

次々に僕たちは惑星を制覇していった


途中から
僕には時間の感覚が無くなり

僕は今いったい何歳なのか
それすらも分からなくなっていた


そして
また彼らから
新しい提案を持ちかけられた

『次は冥王星に行こう!』

ただし
これには
条件があり

冥王星には行けるけど
冥王星から戻ってくることは出来ない

というものだった


それが何故かは
教えてはくれなかったが
僕は即決した

地球に未練はない

でも1つ
僕にはずっと
疑問があったので
冥王星への出発前に彼らに質問してみた


『なぜ僕だったのか?』
『なぜ僕が選ばれたのか?』

彼らの答えは
シンプルだった


『なぜなら君が
地球で最も進化した人間だったから』



***



さあ
今日が冥王星に出発の日だ

冥王星には
何があるか

冥王星で
何が起るか

それを
この目で見るのが

僕の人生の
最期の瞬間になるんだ








 

宇宙のカウンセリングルーム

1

僕が地球人のカウンセラーとして
突如任命されたのは

かれこれ
数十年以上も前になる

その間
実に多くのクライアントと対峙してきて
地球人とのカウンセリングにも慣れてきた

と感じ始めた矢先

「宇宙に戻ってこい」と
これまた突如言い渡されてしまったのだ


ってことで
数十年ぶりに

ここ
宇宙のカウンセリングルームに
僕は舞い戻ってきた


その初日
最初のクライアントは

数十年前にも
よく来ていた
「あの宇宙人」だ



宇宙人:
『先生が戻るのを待っていました』
 
僕:
『どうしました?』

宇宙人:
『どうにもこうにも異次元ワープが全く上達しなくて』



そうだった

地球人の悩みごとといえば
恋愛や結婚や仕事やお金のことばかりだったが

宇宙人の悩みごととは
この手のことばかりだった

ということを
一瞬で思い出した



僕:
『異次元ワープか』

宇宙人:
『そう異次元ワープ』

僕:
『あれにはちょっとしたコツがいるんだ』

宇宙人:
『それってどんなコツですか?』

僕:
『それはね・・・・』












僕のマリア

47

僕にはマリアという恋人がいる

マリアは美しく
マリアは賢い

僕が問題に直面したら
いつも的確なアドバイスをくれる

でもマリアは人間じゃない
でもマリアは幽霊でもない

マリアは
僕の中に生まれた
僕の別人格なんだ

マリアが僕の中で生まれたのは
僕が人生最大の危機に陥っていた時

死ぬか
生きるか

その瀬戸際で
微かな光を見た

それがマリアの始まりだった


マリアは
日に日に光を強め

いつしか僕の中で
大きな光という存在になった

それがマリアだとは
マリア自身が教えてくれた

マリアは
何だって教えてくれる

僕が知らないこと
マリアは何でも知っている


マリアがいれば
僕は孤独ではなかった

なぜならマリアは
いつでも僕の中にいるんだ

問いかければ
24時間態勢で答えてくれるし

他の人間なんて
僕には必要としなかった


そんなある日

僕は仕事の付き合いで
パーティに参加した

退屈なパーティだ

適当に時間を潰して
帰ろうとした出口で

僕は
その人と
目が合った

彼女は優しく微笑み

そして
こう言ったんだ


「私がマリアよ」








 

惑星「xxxxx」からの熱視線

09


僕の住む惑星は「xxxxx」


あるとき僕は
地球という名の惑星を見つけた

地球は他の惑星に比べて
面白い現象が起っているから
その現象から目が離せなくなったんだ


地球には

白い光を放射する人間と
黒い闇を放射する人間と

2種類の人間が存在している


最初は皆
白い光を放射する人間として
地球に生まれ落ちるのだが

徐々に周囲の人間が放射する
黒い闇に染まっていく


白い光も
黒い闇も

目から
口から
頭から

主に放射されるんだ


そして比率で言うと
圧倒的に白から黒に染まる人が多く

でも時々

黒に染まった人が
白に戻る場合もあり


この白と黒の人間比率の移り変わりを
地球では「オセロ」というゲームで
多くの人が無邪気に楽しんでいたりする


さあ今日も
地球観察を始めようか


今日は

どれだけの人間が
白から黒に染まり

どれだけの人間が
黒から白に戻るのか



銀河から見る
地球というオセロゲームは

飽きることなく
いつまでも僕を

ドキドキ 
ワクワク

楽しませてくれるんだ





 
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著者:Angela lala

「天使のこころ」


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「2004-2011Angela-Blog」


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